2027年卒の新卒採用活動に向けて、採用戦略を立てる上で重要なポイントを整理しました。これからの採用市場では、単なる条件面での競争では差別化が難しくなり、企業の採用力全体を強化することが求められます。

この記事では、成功するための15の戦略ポイントを出会う力、掴む力、口説く力、愛着を高める力、広める力に分けて解説します。企業の新卒採用戦略に役立つチェックリストとして、ぜひ参考にしてください。

1. 出会う力：採用活動の出発点

新卒採用の最初のステップは、優れた候補者と出会うことです。ここでは、学生との接点をどう作るかが重要なポイントです。

1.1 レコメンド型就活のスタンダード化

学生は、企業からのオファーを選ぶ時代に変わってきています。スカウトメールや深層紹介を活用した「レコメンド型」の就活が主流となっており、この流れを前提に出会いを設計しましょう。

1.2 新しいナビサイト「新リナビ」の活用

従来の就職ナビサイトは、イベントマッチング中心のツールに変化しています。特に、インターンシップやオープンカンパニー（＝主に企業や就職情報サイト、大学のキャリアセンターなどが実施するイベントや説明会のこと）など、企業との接点を広げる新しいプラットフォームが有効です。

1.3 分散投資型チャネル設計

一つのチャネルに依存せず、さまざまなメディアを使って学生にアプローチすることが求められます。年ごとに効果が変動するため、定期的に効果を検証し、チャネルを分散させることが鍵です。

2. 掴む力：ターゲットの心をつかむ

採用活動で成功するためには、ターゲットとなる学生の心をつかみ、関心を引きつけることが必要です。

2.1 6月から9月のインターンシップシーズンの活用

インターンシップのシーズンは年々長期化しています。特に、6月から始まるインターンシップで学生と複数回接触し、エンゲージメントを高めることが重要です。

2.2 先行直結型インターンシップの導入

「先行直結型インターンシップ」を明記することで、学生に対するアピールが強化されます。この形式は学生にとって魅力的で、効率的な人材発見に繋がります。

2.3 AI面接によるリソース配分

AI面接を導入することで、スクリーニング段階でのリソースを効率化し、面接官の負担を軽減することが可能です。これにより、より多くの候補者を面接に進めることができます。

3. 口説く力：内定を勝ち取る

学生に内定を出すためには、しっかりと口説き、入社意欲を高めることが求められます。

3.1 配属コミット採用の枠を広げる

「配属コミット採用」の枠を広げ、勤務エリアや事業部に対する柔軟性を持たせることで、学生の安心感を増し、内定を勝ち取りやすくなります。

3.2 内定後の研修・制度説明会

内定者向けの研修や人事制度の説明会を内定後に実施し、学生とその家族に向けて具体的なキャリアパスや福利厚生の説明を行うことが有効です。

3.3 個別フィードバックの仕組み化

個別のフィードバックをしっかりと実施し、学生に自分の強みや改善点を伝える仕組みを整えます。フィードバックを体系的に行うことで、ミスマッチの予防にも繋がります。

4. 愛着を高める力：内定者の心をつかむ

内定者の愛着を高め、入社意欲を持ち続けてもらうための施策が必要です。

4.1 内定者フォローの個別パッケージ化

内定者フォローは集合型プログラムから個別型にシフトし、個々の内定者に合わせたアプローチを行います。定期的なコミュニケーションで不安を払拭し、入社意欲を維持します。

4.2 リクルーター的な先輩社員の投入

リクルーターだけでなく、先輩社員を内定者フォローに加えることで、より実際的なアドバイスや社会人としてのマインドを伝えることができます。

4.3 自己効力感へのスイッチタイミング

内定者が自己肯定感を持つだけでなく、社会人としての自己効力感を高めるタイミングを設けることが重要です。入社後の成長に向けた心構えを作るために、内定式から入社までの間にマインドセットを促進します。

5. 広める力：採用ブランドの認知拡大

企業の採用ブランディングを広め、優秀な人材を引き寄せるための施策です。

5.1 低学年アプローチの標準化

低学年からのアプローチを強化し、学生に早期から企業の認知を促進します。特に1・2年生をターゲットにしたブランディング活動は、27卒採用において重要な要素となるでしょう。

5.2 内定者の協力促進

内定者による口コミやリファラル（紹介）を促進し、採用マーケットでの認知度を広めます。既存社員や内定者が企業の魅力を広める手法は非常に効果的です。

5.3 PR露出の強化

テレビCMやSNS、イベントなど、採用マーケットでの露出を増やし、企業の魅力を広めます。広範囲な認知を得ることが、学生の応募意欲を高めるためには欠かせません。

まとめ

2027年卒採用戦略における成功のためには、出会いから採用後のフォローまでの一貫した施策が必要です。これらの15のポイントを実践することで、競争の激しい採用市場で有利に立ち、優秀な人材を確保することができます。各ポイントを自社の戦略に活かし、次世代の採用活動を強化しましょう。